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児玉会長:新年のご挨拶

2024年1月1日
一般社団法人 ペットフード協会

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
皆様におかれましては、2024年の新春を健やかにお迎えになりましたこと、心よりお慶び申し上げます。

当協会では、技術委員会・安定供給委員会・普及啓発委員会の三つの専門委員会とそのもとに、9つの部会を組織し、 約90名の方々に参加して頂き、@ペットの健康を支える事業、Aペットの命を護る事業、B飼育状況の把握とペット とのより良い生活に関する情報発信事業を行っています。今年もペットフード業界の成長に寄与するよう、 これらの事業に関わる諸活動を推進してまいります。

さて、昨年も、一昨年同様、多くの原材料の価格やエネルギーコストが上昇しました。加えて、一時、1ドル=150円を突破した円安水準は、 ペット産業にも大きな影響をもたらしました。ペットフード市場では、ドッグフード・キャットフードともに、全てのカテゴリーを 合算したキログラム当り小売単価は、700円を上回り、前年比20%を超える上昇となりました。消費量が減少する中、 当協会会員各社が推進された、健康配慮フードやグルメフードなどの提案強化やオヤツの新たな使用機会の創造が、 消費者に新しい満足を提供し、購買意欲を刺激した結果、価格上昇一因となっています。一方、2022年に続き、 昨年は主要ペットフード全ての価格帯で価格が上昇しました。その上げ幅は、数%程度から20%以上とバラつきがありますが、 特にスタンダードゾーンの上昇率が高くなりました。その結果、価格帯間の相対値が変化し、 消費者の商品選択に影響を及ぼしたと考えられます。昨年10月に、当協会が実施した市販ペットフードの支出に関する調査では、 主食にオヤツを加えた犬一頭当りの月間支出は、5,366円となり、2022年から2.1%の増加に留まりました。猫一頭当りの支出は、 4,550円で、前年比7.5%の増加となりましたが、キログラム当りの単価上層とは開きがあります。ペットの健康を支える、 「安全・安心で、ペットにも飼い主にも喜ばれるペットフード」の更なる使用機会や使用頻度を増やす会員会社の事業展開が期待されます。 当協会は、今年も明らかになるであろう、犬や猫の健康や栄養に関わる新しいエビデンスに対応して、栄養基準の見直しを進めます。 また、有害物質のリスク評価や原材料の安定供給を図るなどの活動を通じて、会員各社の事業運営の環境整備に貢献してまいります。

ペットとの生活は、健康増進に繋がる身体的価値があります。また、安らぎを得て、ストレス緩和を得られる心理的価値もあります。 加えて、高齢者の介護状態を軽減し、介護費用の半減=社会保障費の削減効果も明らかになってきました。社会保障費の削減は、 ペットを飼っていない人にとってもペットの存在は社会的な価値があると言えます。しかし、人口減少・少子高齢化や単身世帯増加などの 人口動態の変化と、併せて動物を繁殖・飼養するブリーダーの数が減っている影響を受けて、我が国では、 ペットを飼育する世帯の減少が続いています。昨年ペットフード協会が実施した飼育実態調査では、ペットが全く存在しない家庭の比率は、 73.5%に達し、年々上昇しています。特に、犬の飼育総頭数は、684.4万頭と推定され、ピークであった2008年の1,310万頭からほぼ半減しました。 猫の推定飼育数は906.9万匹となり、横ばい傾向となっています。

2022年6月にマイクロチップ装着の義務化が施行され、第4次動物愛護管理法で、定められた規制・取組みの全てが運用されています。 動物福祉に則った繁殖の環境が整ったことで、健全な繁殖・飼養が進展するものと期待しています。 同時に、健康状態が良く、健全に成育される動物をより多く、消費者に届得ける条件整備・枠組み作りを、当協会も支援してまいります。 こうした活動によって、動物と暮らすことで心身の健康増進に繋がる家庭が増えることに取り組んでまいります。

2022年末、環境省に相談し、ペットフード協会会員社の協力を得て、賞味期限が近付いた商品を保護施設に無償提供することで、 保護動物の命を護り、譲渡支援を促進する「ペットライフサポート」を(一)全国ペットフード・用品卸商協会と共同し、 神奈川県の5施設を対象に先行立ち上げ致しました。この活動は、活かせる商品を有効活用し、ペットフードロスの削減にも貢献しています。 これまでに、約4トンのペットフードを提供し、多くの保護動物を新たな家族にお届けすることに貢献してまいりました。 今後も、この活動の拡大を図り、救える「命」を護る活動を充実させてまいります。

加えて、市場成長が見込まれるアジア各国との交流も更に活発化させてまいります。当協会が行っている ペットフード/マナー検定・ペットフード販売士認定制度やペットフード安全管理者認定制度を東アジア各国の業界団体に紹介することで、 各国のペット産業育成・健全成長に貢献してまいります。その結果、日本からのペットフード輸出の増加に繋がるように取り組んでまいります。

ペット関連産業が今後とも継続的に発展するために、さらなるご支援をお願いして、新年の挨拶とさせて頂きます。

一般社団法人ペットフード協会
会長 児玉 博充

 

 

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